妊活をしていると「星状神経節への鍼灸施術が良い」と耳にすることがあります。
鍼灸施術は世界保健機関(WHO)に有効性が認められており、近年では鍼灸による妊活が着目されています。
しかし、妊活にどのように有効なのか、具体的な作用が気になるのではないでしょうか。
今回は「妊活における星状神経節への鍼灸施術の有用性について」解説します。
妊活における星状神経節への鍼灸施術の有用性はある
結論からいうと、妊活における星状神経節への鍼灸施術の有用性はあります。
理由は星状神経節の部位と鍼灸施術の作用が妊活に関係があるからです。
星状神経節とは首に集まっている交感神経の中継点のひとつです。
神経は脳・脊髄と末端の器官をつないでおり、外部からの刺激を知覚し情報の伝達をしたり、内臓と組織の調整を行ったりと重要な役割を担っています。
体には12の神経があり、その中の交感神経と副交感神経が上手くバランスを保つようにすることで妊娠が期待できます。そして、乱れた神経のバランスを整えるには、鍼灸施術が有効です。
交感神経・副交感神経の役割と妊活との関係について以下にまとめました。
交感神経と副交感神経の役割
交感神経は興奮の刺激を体の器官に伝える役割があり、血管が収縮し心拍上昇・血圧上昇・呼吸が浅く速くなる・胃液の分泌量低下などの作用があります。
これらの交感神経の作用は人が日中活動するために必須ですが、反対に休息や睡眠も必要です。ここで副交感神経の出番です。
副交感神経はリラックスさせる神経ともいわれ、血管が拡張し心拍低下・血圧低下・呼吸を落ち着かせる・腸蠕動亢進などの役割があります。
交感神経・副交感神経どちらも24時間365日活動しており、体の状態に合わせてどちらかの神経の働きが強くなることでバランスを保っています。
ちなみに、交感神経と副交感神経を合わせて自律神経といいます。
妊活と交感神経・副交感神経
上記で説明した交感神経と副交感神経のバランスを保つことで、卵巣や子宮に十分な血液が行きわたり妊活に有効性があります。
加えて、鍼灸施術で筋肉が緩むことにより、骨盤のゆがみが改善する効果も期待できます。骨盤のゆがみは血流量の低下の要因といわれています。
血液は栄養や酸素を運んでおり、臓器が正常に機能するためには十分な血流量が必要です。
過度なストレスが続き交感神経が優位な時間が長くなると、子宮や卵巣の血流量が低下します。結果、卵胞発育障がいや着床障がいを引き起こすことがあります。
また、子宮や卵巣だけでなく体の末端や各臓器にも十分な血液がいきわたらなくなるため、四肢の冷えや体の不調につながることも。
よって、交感神経と副交感神経のバランスを保つことが妊活に有効性であるといえます。
自律神経と妊娠ホルモンの関わり
自律神経は妊娠ホルモンと大きく関わっています。
脳内にある自律神経のバランスとホルモンを整える場所はとても近く、自律神経が乱れることでホルモンバランスが崩れます。逆に、ホルモンバランスが崩れることで自立神経が乱れることもあります。
ホルモンは排卵から妊娠に至るまで大きく関わっており、妊活とは切り離せません。
妊娠には4つのホルモンが関わっており、卵胞刺激ホルモン・卵胞ホルモン(エストロゲン)・黄体形成ホルモン・黄体ホルモン(エストロゲン)があります。この中で、脳からは卵胞刺激ホルモンと黄体形成ホルモンが放出されています。
妊娠に必要なホルモンの調子を整えるためにも、自立神経のバランスを保つことは大切です。
鍼灸施術が星状神経節に効果がある理由
ここまで交感神経・副交感神経のバランスを保ちホルモンを整えることが妊活に有効であると説明しました。
では、なぜ鍼灸施術が星状神経節にアプローチできるのか解説します。
鍼灸とは「体のいたるところにあるツボ(経穴)を鍼やお灸で刺激し、心身の不調を改善すること」です。
鍼は体内に鍼を刺して皮膚・神経・筋肉を刺激し、灸は体表を刺激します。刺激をすると体内で「刺激されたところを治癒しよう」と細胞を修復するために白血球が集まり、新しい組織を生成しようとします。
修復過程で新陳代謝が活発になるため、血流がよくなり、固まっていた筋肉がほぐれます。そして、自律神経(交感神経・副交感神経)を整えることも可能です。
星状神経節がある部位に鍼灸を施術することで、体の内部から整えることができます。
妊活における星状神経節への鍼灸施術の有用性はある
今回は「妊活における星状神経節への鍼灸施術の有用性について」を解説しました。
星状神経節への鍼灸施術をすることで、自律神経のバランスを保ちホルモンを整えることができるため、妊活に有効であると理解できたかと思います。
ストレスを受けやすい環境が続くと自律神経やホルモンが乱れます。しかし、仕事や環境のことを考えると、ストレスをゼロにすることは難しいです。星状神経節への鍼灸施術にて自律神経とホルモンを整え、妊娠しやすい環境をつくりませんか。